2026年10月16日
「うん」はどう書き起こす?――100時間の雑談を文字にした名大会話コーパス
人は、教科書のように一文ずつ区切って話しているわけではありません。「うん」「えっと」と言いながら相手の発話へ重なり、途中で言い直し、固有名詞を省略し、笑いや沈黙も使います。 名大会話コーパスは、日本語母語話者同士による129会話、合計約100時間の雑談を文字化したコーパスです。研究者が用意した台本を読んだ音声ではなく、話題を制限しない自然な会話を記録していま…
会話、文脈、曖昧な指示、誤解の修復などを扱う研究論文やデータセットを紹介します。
2026年10月16日
人は、教科書のように一文ずつ区切って話しているわけではありません。「うん」「えっと」と言いながら相手の発話へ重なり、途中で言い直し、固有名詞を省略し、笑いや沈黙も使います。 名大会話コーパスは、日本語母語話者同士による129会話、合計約100時間の雑談を文字化したコーパスです。研究者が用意した台本を読んだ音声ではなく、話題を制限しない自然な会話を記録していま…
2026年9月18日
二人とも「話が通じた」と思っているのに、実は別のものを指している。こうした誤解は、自由会話を録音するだけでは狙って集めにくく、起きたとしても発生地点や解消過程を特定しにくい現象です。 HCRC Map Task Corpusは、少しずつ異なる地図を二人に渡し、会話だけで同じ経路を再現してもらう課題によって、参照のずれ、聞き返し、確認、言い直しを引き出した英語…
2026年9月18日
「右上のブロックを動かして」と頼んだ相手が、別のブロックを指したとします。「それではなく、その左のブロック」と返すとき、話し手は相手の選択を見て、最初の指示が伝わらなかった部分を訂正しています。 Third Position Repair(第三位置修復、TPR)は、最初の話し手が、相手の応答に現れた誤解を後続の発話で訂正する会話の構造です。BLOCKWORL…
2026年9月18日
「この制度を利用できますか」と聞かれても、年齢、居住地、就労状況など必要な条件が分からなければ、規則を読んだだけでは答えられません。足りない情報を見つけ、利用者へ確認し、その回答と規則を照合する必要があります。 ShARC(Shaping Answers with Rules through Conversation)は、規則文、利用者の質問と状況、これまで…
2026年9月18日
「Fickle Creek Farmについて知りたい」と言われても、場所を知りたいのか、商品を購入できる場所を探しているのかは分かりません。対話AIが一つの意味を選んで回答すると、利用者が求めていない情報を返す可能性があります。 一方で、意味を一つに絞れる要求にまで毎回聞き返すAIも使いにくいものです。確認質問を扱うには、質問文を生成できるだけでなく、「この…
2026年9月18日
朝、庭に出ると地面は乾いていました。昼過ぎに窓を見ると、庭がぬれています。この二つの観察の間には、「雨が降った」「誰かが水をまいた」といった出来事が考えられます。 結果から、その原因としてもっとも説明力のある出来事を推定する考え方を仮説推論、英語ではabductive reasoningと呼びます。ARTは、この推論を短い物語の選択問題にしたデータセットです…
2026年9月18日
映像の場面説明を読んで、その後に続く行動を四つの文章から選ぶ。SWAGは、動画に対応する連続したキャプションを出発点に作られた英語の四択データセットです。ただし、問題を解くモデルへ動画そのものは渡しません。文章で与えられた場面に合う続きを選ぶ、grounded commonsense inference(現実の状況に基づく常識推論)の課題です。 名称はSit…
2026年9月18日
誰かを褒めるという出来事から、その人の意図や相手の気持ち、次に起こりそうな行動を考えることができます。ATOMICは、このような出来事には書かれていない推論を、種類ごとに自由記述で集めた英語の知識グラフです。原論文の表1には、褒め言葉を伝える出来事から、話した人の意図、相手の反応、話した人の人物像を別々に表した例があります。 名称は原論文の脚注でAn ATl…
2026年9月18日
文章を読んで嘘かどうかを判定する研究には、最初から難しい問題があります。現実に投稿されたレビューを読んでも、その人が本当に宿泊したのか、報酬を受けて書いたのかを、文章だけから確定できるとは限りません。「怪しく見える文章」を嘘と決めてしまえば、検出したい特徴を先に正解ラベルへ混ぜることになります。 Deceptive Opinion Spamの研究は、実在する…
2026年9月18日
「議論を攻撃する」「主張を支える」のような表現は、文全体では自然に読めても、一部の語だけが基本的な意味から離れています。比喩をデータにするには、文章を丸ごと「比喩あり」と分類するだけでは、どの語のどの意味が判断の根拠になったのか分かりません。 VUA Metaphor Corpusは、実際に使われた英語を語彙単位ごとに調べ、比喩に関係する語とその現れ方を記録…
2026年9月18日
冗談を「面白い/面白くない」の二択で分類するだけなら、評価者に文章を読んでもらえばデータは作れそうです。しかし、どの言葉を変えると笑いが生まれるのか、同じ冗談を人によってどの程度違って評価するのかまで調べるには、元の文章、変更箇所、複数人の点数を対応させる必要があります。 Humicroeditは、英語のニュース見出しに小さな置換編集(micro-edit)…
2026年9月18日
音声案内システムが利用者の言葉を誤認識しても、会話はそのまま進むことがあります。利用者が同じ内容を繰り返す、言い換える、「違う」と否定する、声を荒らげるといった反応が現れて、初めて問題に気付く場合もあります。 SpeDialは、音声対話システムのどこでコミュニケーション上の問題が起きたかを分析するために公開されたデータ資源です。英語のバス時刻案内システムと、…
2026年9月18日
「コーヒーを作って」と頼まれても、キッチンに陶器とガラスのマグカップがあれば、どちらを使うか分かりません。利用者の好みなら質問した方がよい一方、野菜を洗うかどうかまで毎回尋ねるロボットは使いにくくなります。危険がある場面では、勝手な補完が事故につながるかもしれません。 AmbiK(Dataset of Ambiguous Tasks in Kitchen E…
2026年9月17日
「すばらしい一日だ」と書かれていても、本当に満足しているのか、出来事を皮肉っているのかは、文章だけでは決められません。第三者には皮肉に見えても、書いた本人にはそのつもりがないことがあります。反対に、本人が皮肉として書いた文章が、事情を知らない人には額面どおりに読まれることもあります。 皮肉検出用データセットでは、誰の判断を記録するのでしょうか。iSarcas…