不足した条件を発見するタスク型対話データShARC

「この制度を利用できますか」と聞かれても、年齢、居住地、所得など必要な条件が分からなければ答えられません。規則を読めるだけでなく、利用者の状況と照合し、不足情報を質問する必要があります。

ShARCは、規則文、利用者の質問、会話履歴を読み、回答できるか、追加質問が必要かを判断する対話型機械読解データセットです。

本記事は公開論文と公開データセットを紹介するものです。実際の制度案内では、最新の規則と所管機関による確認が必要です。

今回取り上げるShARC

ShARC: A Conversational Information Seeking Dataset for Complex Reasoning over Rulesは、複雑な規則を読みながら確認質問を行う課題を提案した研究です。

システムは、規則と利用者の状況から「はい」「いいえ」を答えるか、まだ分からない条件を質問します。

規則文を条件分岐として読む

制度や業務ルールには、複数の条件が入れ子になっています。

  • 対象地域に住んでいるか
  • 一定の年齢以上か
  • 別の制度を利用していないか
  • 例外条件に該当しないか

利用者が一部しか説明していなければ、満たしている条件と不明な条件を分け、不明なものだけを確認します。

質問する順番も効率に影響する

複数の不足条件がある場合、どれから聞くかによって対話の長さが変わります。一つの回答で対象外と確定できる条件を先に尋ねれば、不要な質問を減らせます。

正しい確認質問を生成するだけでなく、少ない質問で結論へ到達できるかも評価対象になります。

規則に書いてある条件だけを尋ねる

AIが常識から条件を追加すると、制度にない要件で利用者を排除する危険があります。質問は規則文のどの部分に基づくのかを対応付ける必要があります。

根拠となる条項、確認した条件、利用者の回答、最終判断を一緒に保存すると、誤答時に原因を追跡できます。

業務マニュアルにも応用できる

ShARCの考え方は、行政制度だけでなく、社内手続き、問い合わせ対応、検品条件、申請受付などにも使えます。

マニュアルの条件分岐と、担当者が実際に聞き返した質問を対応付ければ、どの条件が抜けやすいか、どの規則が読みにくいかを分析できます。

日本語では否定と例外の範囲に注意する

「ただし」「場合を除く」「いずれにも該当しない」などを含む規則文では、条件の適用範囲を誤りやすくなります。日本語データでは、原文、平易な言い換え、条件表、確認質問を対応させる設計が考えられます。

RESEARCH DATASET NOTE

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