「コーヒーを作って」と指示されても、砂糖やミルクの好みが分からないことがあります。安全に関わる条件や、置かれた物の種類が不足している場合もあります。優れたAIは勝手に決めるだけでなく、必要なときに確認できなければなりません。
本記事は公開論文と公開データセットの紹介です。株式会社イングクラウドが当該研究へ関与したことを示すものではありません。
今回取り上げる論文
AmbiK: Dataset of Ambiguous Tasks in Kitchen Environmentは2025年のACLで発表されました。
曖昧な指示と明確な指示を対にする
AmbiKには、キッチンロボットへの曖昧な指示1,000件と、それぞれを明確にした指示1,000件が対になって収録されています。合計2,000タスクです。
各タスクには、環境の説明、曖昧さを解消する質問と回答、利用者の本来の意図、作業計画が付いています。曖昧かどうかを当てるだけでなく、その後どう確認し、どう行動するかまで評価できます。
曖昧さを三種類に分けた
- 利用者の好みが分からない
- 常識的な知識が不足している
- 安全に関わる情報が不足している
何でも質問するAIは不便です。野菜を洗うかのように通常は確認不要な内容と、好みや安全のために聞くべき内容を区別する必要があります。
LLMで作り、人が検証した
AmbiKはLLMの支援を受けて候補を作り、人が妥当性を確認しています。AIで量を作り、人が曖昧性、質問、回答、作業計画の整合性を見るHuman-in-the-loop型の制作例です。
日本語で作る場合の論点
日本語の指示は主語や目的語が省略されやすく、「適当に」「いつものように」「少し」など共有知識を前提とする表現も多くあります。家庭、製造、介護、接客など領域ごとに、確認すべき情報と常識的に補える情報を決める必要があります。
データ制作の実務で参考になる点
曖昧な文章だけを集めず、明確化した文章、確認質問、回答、意図、実行計画まで一組にしています。問題検出後の行動まで見据えたデータ設計です。
RESEARCH DATASET NOTE
指示文・確認質問データの制作をご相談いただけます
場面設計、曖昧な指示の作成、確認質問と回答の評価、人手検証まで整理します。
