同じ「はい」という返事でも、上司への返答と親しい友人への返答では、言葉遣いも距離感も異なります。会話から二人の関係を読み取るには、呼称、敬語、話題、上下関係などを組み合わせる必要があります。
本記事は公開論文とデータセットの紹介です。映画脚本は現実の会話そのものではなく、著作権と利用条件にも注意が必要です。
今回取り上げる論文
Are they lovers or friends? Evaluating LLMs’ Social Reasoning in English and Korean Dialoguesは2026年のACLで発表され、英語・韓国語の二言語データSCRIPTSを提案しています。
60本の映画脚本から場面を選んだ
英語28本、韓国語32本の映画脚本を集め、複数ターンかつ2~3人が登場する場面を抽出しました。OCRやAIで韓国語脚本を整形した後、人が原本と照合して修正しています。
最終データは1,147対話で、英語580件、韓国語567件です。自動処理で終わらず、原資料への人手照合が工程に含まれています。
関係名だけでなく三つの軸を付ける
恋人、友人、家族、同僚などの候補に加え、親密度、形式性、上下関係も評価します。典型的な友人関係だけでなく、親密だが上下関係があるなど、珍しい組み合わせも残します。
言語固有の手がかりがある
韓国語では呼称や敬語が関係性を強く示します。論文では、モデルが文化固有の表現を誤解する例が報告されています。日本語でも、先生、先輩、さん付け、呼び捨て、敬語の切り替えが重要な手がかりになります。
データ制作の実務で参考になる点
関係性を一つの名称で固定せず、親密度・形式性・上下関係へ分解した点が特徴です。また、二言語を同じ枠組みで扱いながら、言語固有の関係や呼称を消していません。
RESEARCH DATASET NOTE
関係性・会話文脈のデータ制作をご相談いただけます
日本語対話の収集、話者設定、敬語・呼称・関係性のアノテーション、複数人評価まで整理します。
