非母語話者の日本語をAIはどう認識するか――3年間追跡したC-JAS

非母語話者の日本語は、母語や学習期間によって変化します。一度だけ収録した音声では、個人差なのか、学習による変化なのかを分けにくい場合があります。

C-JASは、同じ日本語学習者を約3年間追跡し、自然会話の変化を記録したコーパスです。

本記事は国立国語研究所が公開するコーパスの紹介です。株式会社イングクラウドが当該コーパスの構築へ関与したことを示すものではありません。

今回取り上げるコーパス

C-JAS(Corpus of Japanese as a Second Language)は、日本語を第二言語として学ぶ人の自然会話を収録したコーパスです。

6人を約3年間追跡した

対象は中国語母語話者3人と韓国語母語話者3人です。日本語学習開始から約3か月の時点から、3〜4か月おきに7〜8回調査し、47回、合計約46時間30分、約57万語を収録しています。

各回は日本語母語話者との約60分の自由会話で、時期ごとに共通話題も設定されています。

大人数の横断調査とは違う情報が得られる

多数の学習者を一度ずつ収録すれば、習熟度別の平均を比較できます。C-JASのように同じ人を繰り返し収録すると、誤用が減る過程、新しい表現の獲得、会話の流暢さの変化を追えます。

「非母語話者」を一つの属性にしない

母語、学習歴、滞在歴、教育環境、習熟度で発話は変わります。AI評価でも、「非母語話者100人」という総数だけでなく、母語と習熟度の内訳が必要です。

長期調査の運営課題

  • 同じ参加者へ定期的に連絡できるようにする
  • 各回の収録条件と質問テーマをそろえる
  • 学習歴や生活環境の変化を記録する
  • 途中離脱を見込んで参加者数を設計する
  • 話者IDを保ったまま個人情報を分離管理する

データ制作の実務で参考になる点

一回の大量収集では得られない「同じ人の変化」を残しています。学習者向け音声AIの評価では、誤認識率だけでなく、習熟度が上がるにつれて認識がどう変わるかも検証できます。

RESEARCH DATASET NOTE

日本語学習者を対象とした継続収録を支援します

母語・習熟度条件の設計、参加者募集、定期連絡、自然会話収録、話者IDとメタデータの管理までご相談いただけます。

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