一人の話者が日本語と英語を切り替える――JECSコードスイッチ音声コーパス

「来週のmeeting、午後に変更できますか」のように、一つの発話の中で日本語と英語を切り替えることがあります。多言語対応のAIでも、発話全体を一つの言語として判定すると、切り替わった語だけ誤認識する可能性があります。

本記事は公開コーパスの紹介です。株式会社イングクラウドが当該コーパスの構築へ関与したことを示すものではありません。

今回取り上げるコーパス

JECS: Japanese-English code-switching speech corpusは、日本語・英語・コードスイッチングの対応する発話を収録した音声コーパスです。

同じ内容を三つの形で収録する

JECSには、日本語文、英語文、文中の一部を別言語へ切り替えた文があります。同じ話者と対応する内容を使うため、言語が切り替わることで発音、韻律、音声合成がどう変わるかを比較できます。

コーパスは約2.5時間で、バイリンガルの声優一人がスタジオで収録しています。通常発話に加え、単語を強調した発話と、一部の感情発話もあります。

比較しやすさを優先した設計

一人の話者が用意された文章を読むため、自然会話の多様性は限られます。その代わり、声質や収録環境をそろえて、日本語、英語、混在文の違いを比較できます。

自然なコードスイッチとは限らない

どの単語を切り替えるかは、文脈、相手、所属するコミュニティによって変わります。作成者が機械的に英単語へ置き換えた文章は、実際のバイリンガル話者には不自然な場合があります。JECSでは文の作成に話者も関与しています。

日本語で追加収録する場合の論点

  • 文中のどこで言語が切り替わったか時間情報を付ける
  • 書記上の言語と実際の発音を分けて記録する
  • 台本読みと自然会話を用途別に使い分ける
  • 話者の言語使用歴と得意言語を残す
  • 固有名詞や借用語をコードスイッチとする基準を決める

データ制作の実務で参考になる点

比較実験に向く統制データの好例です。まず少数話者の平行発話で基礎評価を行い、その後に複数話者の自然会話を加えると、収録費用と研究目的のバランスを取りやすくなります。

RESEARCH DATASET NOTE

多言語・コードスイッチ音声を収録します

話者条件、台本作成、スタジオ・オンライン収録、言語切替区間の書き起こしとアノテーションをご相談いただけます。

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