個人へ仕事を依頼するとき、「業務委託だから源泉徴収する」「請求書があるから源泉徴収しない」と判断されることがあります。しかし、業務委託報酬がすべて同じ扱いになるわけではありません。
源泉徴収の要否は、誰が支払い、誰が受け取り、何の対価として支払うのかを確認して判断します。
2026年9月17日確認。本記事は一般的な情報です。具体的な報酬の区分は、契約と作業実態を示して税理士・税務署へ確認してください。
個人への支払いがすべて対象ではない
居住者である個人への支払いでは、原稿料や講演料、弁護士等の特定資格者への報酬、モデル報酬など、法令で定められた報酬・料金が源泉徴収の対象になります。
相手が個人事業主であることだけを理由に、あらゆる外注費から源泉徴収するものではありません。国内法人への通常の業務委託費も、個人への報酬とは扱いが異なります。
仕事の名称ではなく実態を確認する
| 仕事 | 確認点 |
|---|---|
| データ入力・単純分類 | 個人への支払いだけで直ちに対象とは限らない |
| 文字起こし | 単純な書き起こしか、原稿の執筆・編集を含むか |
| 翻訳 | 原稿料等として対象となる範囲を確認 |
| 記事・シナリオ作成 | 原稿料に当たる可能性が高い |
| 撮影 | 撮影報酬とモデル出演料などの内訳を確認 |
| 研究参加謝礼 | 名称ではなく参加内容と支払いの実態を確認 |
「謝礼」という名前では決まらない
国税庁は、謝礼、研究費、取材費、車代などの名目でも、実態が対象となる報酬・料金と同じなら源泉徴収の対象になると説明しています。反対に、個人へ支払うものをすべて謝礼として処理することも適切ではありません。
消費税が区分されているか確認する
報酬に消費税等が含まれる場合、原則として税込額が源泉徴収の対象です。ただし、請求書等で報酬額と消費税額が明確に区分されている場合は、報酬額のみを対象として差し支えないとされています。
源泉徴収と支払調書は別に確認する
源泉徴収をするか、税務署へ支払調書を提出するか、本人へ支払調書を交付するかは、それぞれ確認が必要です。「支払調書を出さないから源泉徴収もしない」という判断はできません。
発注前に報酬区分を決める
支払時になって源泉徴収の有無を変更すると、作業者が想定した手取額と差が生じます。募集・発注時に仕事内容と報酬区分を確認し、源泉徴収する場合はその旨と計算方法を伝えます。
複数の作業が一つの案件に含まれる場合は、内訳を分けられるかも確認します。判断結果と根拠を案件ごとに残すことで、担当者による処理のばらつきを減らせます。
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