レシート画像のOCR用データセットを試作することになり、アノテーション環境としてLabel Studio Community Editionを入れてみました。
この記事では、Windowsパソコンへのインストールから、ブラウザでの起動、終了、2回目以降の開き方までをひと続きにまとめます。
最終的にChromeでhttp://localhost:8080を開き、Label Studioの初期画面が表示されれば完了です。
この記事は2026年9月時点のLabel Studio公式のインストール手順をもとに作成しています。Label StudioやPythonの画面、必要条件は更新されることがあるため、実際に使用するパソコンでも確認してください。
今回は1台のWindowsパソコンに、Pythonのpipを使って導入します。操作には最新版のGoogle Chromeを使用します。
複数人がインターネット経由で同じ環境へ接続する本番運用は、この記事の対象外です。ローカルで動かしているLabel Studioを、設定を確認しないままインターネットへ公開することは避けてください。
Label Studioを選んだ理由
今回まず確かめたかったのは、レシート画像を登録し、店舗名や商品明細などの範囲を囲みながら文字情報を付けられるかどうかです。Label StudioはOCR向けの設定例が公開されており、ラベルの付け方も案件に合わせて変更できます。また、Community Editionを手元のパソコンで動かせるため、最初の試作を小さく始めやすい点も合っていました。
ただし、ツールを選んだだけでは作業仕様は決まりません。2行に分かれた商品明細、値引きや税表示、全角・半角や空白の扱いなど、レシート固有の判断基準は別途設計する必要があります。まずは実際に触れられる環境を作り、そのうえでアノテーション仕様を詰めることにしました。
コマンドを入力するときの基本操作
この記事では、Windowsの「コマンドプロンプト」という画面へ命令文を入力します。黒い画面が表示されますが、異常ではありません。
コマンドプロンプトは、次の手順で開けます。
- キーボードの
Windowsキーを押しながら、Rキーを押します。 - 画面左下に「ファイル名を指定して実行」が表示されます。
- 入力欄へ半角英字で
cmdと入力します。 - 「OK」を押すか、
Enterキーを押します。
この記事に掲載しているコマンドは、灰色の枠内にある文字だけをコピーし、コマンドプロンプトへ貼り付けます。貼り付けた後にEnterキーを押すと実行されます。
画面に最初から表示されている
C:\Users\ユーザー名>などの文字は入力しません。また、実行後に表示された結果も、次のコマンドとして入力する必要はありません。
1. Pythonが入っているか確認する
Label Studioをpipで導入するにはPythonが必要です。Label Studio公式の動作要件では、pipによる導入にPython 3.8以降が必要とされています。
WindowsキーとRキーを同時に押し、cmdと入力してコマンドプロンプトを開きます。次の文字をコピーして貼り付け、Enterキーを押します。
py --version
または、
python --version
Python 3.x.xのようにバージョンが表示されれば、Pythonを認識できています。表示されたバージョン番号は入力し直さず、そのまま次へ進みます。
コマンドが見つからないと表示された場合は、Python公式サイトからWindows版を導入します。インストール画面にPATHへ追加する選択肢が表示された場合は、それを有効にしておくと、コマンドプロンプトからPythonを呼び出しやすくなります。
Pythonをインストールした後は、いったんコマンドプロンプトを閉じ、新しく開き直してから、もう一度バージョンを確認します。
2. Label Studio専用の仮想環境を作る
Label Studioは、ほかのPythonソフトとパッケージが衝突しないよう、専用の仮想環境へインストールします。公式の導入要件でも、クリーンな仮想環境の使用が推奨されています。
今回は、Cドライブの直下にlabel-studio-envという仮想環境を作ります。エクスプローラーで事前にフォルダを作る必要はありません。次の1行を貼り付けて、Enterキーを押します。
py -m venv C:\label-studio-env
pyで実行できない場合は、次を試します。
python -m venv C:\label-studio-env
処理が終わっても「完了」とは表示されないことがあります。入力できる状態に戻り、エクスプローラーでCドライブを開いたときにlabel-studio-envフォルダが作成されていれば成功です。
3. 仮想環境を有効にする
次の1行を貼り付け、Enterキーを押します。
C:\label-studio-env\Scripts\activate.bat
コマンド入力欄の先頭に、次のような表示が付けば仮想環境が有効になっています。
(label-studio-env)
この表示がある間にLabel Studioをインストールします。コマンドプロンプトを閉じると仮想環境も終了するため、ここでは閉じずに次へ進んでください。
4. Label Studioをインストールする
最初に、Pythonへソフトを追加するためのpipを更新します。次の1行を貼り付け、Enterキーを押します。
python -m pip install --upgrade pip
処理が終わり、再び文字を入力できる状態になったら、次の1行を貼り付けてEnterキーを押します。
python -m pip install label-studio
必要なファイルがまとめて取得されるため、少し時間がかかります。文字が次々に表示されても、入力やクリックをせずに待ちます。再びコマンドを入力できる状態に戻れば、処理は終了しています。
導入されたバージョンは、次のコマンドで確認できます。
label-studio version
バージョン番号が表示されれば、インストールはできています。
5. Label Studioを起動する
Label Studioのプロジェクトやアノテーション結果を保存する場所として、Cドライブの直下にlabel-studio-dataフォルダを作ります。次の1行を貼り付け、Enterキーを押します。
mkdir C:\label-studio-data
続いて、Label Studioへデータの保存場所を伝えます。
set LABEL_STUDIO_BASE_DATA_DIR=C:\label-studio-data
このsetコマンドは、現在開いているコマンドプロンプトだけで有効です。パソコンを再起動した後や、コマンドプロンプトを開き直したときは、もう一度実行します。
最後に、同じコマンドプロンプトへ次の1行を貼り付け、Enterキーを押します。
label-studio
公式の起動手順どおりに起動すると、通常はブラウザが開き、次のアドレスにLabel Studioが表示されます。
http://localhost:8080
ブラウザが自動で開かない場合は、Google Chromeのアドレス欄へ上記のURLを直接入力します。
localhostは、現在操作しているパソコン自身を表します。この段階では、インターネット上のサービスへログインしているわけではなく、自分のパソコン上で動いているLabel Studioをブラウザから開いています。
最初の画面では、アカウント情報の登録を求められる場合があります。画面の案内に従って登録し、Label Studioの初期画面が表示されたら導入は完了です。
6. 終了するとき
Label Studioを終了するときは、起動に使った黒いコマンドプロンプトの画面を一度クリックします。その後、Ctrlキーを押しながらCキーを押します。
コマンドプロンプトの画面を閉じても停止しますが、作業中の処理がある場合を考え、基本的にはCtrl + Cで終了します。
7. 2回目以降に起動するとき
パソコンを再起動した後などにLabel Studioを使う場合は、WindowsキーとRキーを同時に押し、cmdと入力してコマンドプロンプトを開きます。次の3行を上から1行ずつ貼り付け、その都度Enterキーを押します。
C:\label-studio-env\Scripts\activate.bat
set LABEL_STUDIO_BASE_DATA_DIR=C:\label-studio-data
label-studio
3行をまとめて貼り付けても実行できますが、初めのうちは1行ずつ進めたほうが、どこで止まったか分かりやすくなります。毎回インストールし直す必要はありません。「仮想環境を有効にする」「データ保存先を指定する」「Label Studioを起動する」の3段階です。
うまく起動しないとき
pyまたはpythonが見つからない
Pythonがインストールされていないか、WindowsからPythonの場所を認識できていない可能性があります。Pythonをインストールした直後であれば、コマンドプロンプトを開き直してから再度確認します。
label-studioが見つからない
仮想環境が有効になっているか確認します。コマンド入力欄の先頭に(label-studio-env)が表示されていなければ、次を実行します。
C:\label-studio-env\Scripts\activate.bat
その後、もう一度label-studioを実行します。
以前のプロジェクトが表示されない
データ保存先の指定が抜けている可能性があります。Label StudioをいったんCtrl + Cで終了し、次の2行を上から順に実行します。
set LABEL_STUDIO_BASE_DATA_DIR=C:\label-studio-data
label-studio
localhost:8080を開けない
Label Studioを起動したコマンドプロンプトを閉じていないか確認します。また、別のソフトが8080番ポートを使用している場合は、別のポートで起動できます。
label-studio start --port 9001
この場合は、ブラウザで次を開きます。
http://localhost:9001
インストール中にエラーが出た
エラーメッセージを消さず、画面をスクリーンショットで保存します。Pythonのバージョン、Windowsのバージョン、入力したコマンドも一緒に記録すると、原因を切り分けやすくなります。
AI DATA PRODUCTION & ANNOTATION
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